世界自然遺産の森・知床

知床のライブ配信は、公益財団法人知床財団との連携で運営され、
環境省から特別な許可を得て世界自然遺産区域内にマイクとカメラを設置しています。
世界的にも稀な、海から山に繋がる生態系の連鎖と高密度の生き物たちの活動の様子を、
24時間、自由にお聴きいただくことが出来る貴重なプログラムです。
また、知床財団の賛助会員に参加すると、
← 360°→ カメラによるライブ配信も無料でご覧いただくことが出来ますので
ぜひ「森の動画チャンネル」もご確認ください。
森の特徴
~海(流氷)から山への循環
知床は北海道の東北部に位置し、半島の中央には標高1,000m 以上の知床連山が続きます。
遠くシベリアからははアムール川の大陸のミネラルをたっぷり含んだ流氷が届き、
海域のプランクトンや鮭など魚が育ち、オオワシやオジロワシが食べたり、
遡上した鮭をヒグマやシマフクロウが食べるなど豊富な栄養素が海から山へ循環しています。
知床は、海洋生物系と陸上生態系の相互関係の顕著な見本となっています。
半島の九割は国有林で占められ、豊かな原生林に覆われています。
トドマツやアカエゾマツなど北方性の常緑針葉樹と、ミズナラやセンノキなどの落葉広葉樹が混じり合った森林が、
知床の典型的な林相となっています。


森への取り組み
~しれとこ100 平方メートル運動
沿岸部には民間の森も広がりますが、1977年、斜里町では、知床国立公園内の開拓跡地の保全と原生林の再生を目指し、
「しれとこ100平方メートル運動」の開始を発表、当時乱開発の危機にあった開拓跡地の買い取りに必要な寄付を募りました。
この運動は1997年より「100平方メートル運動の森・トラスト」へと発展を遂げ、
運動地にかつてあった原生の森と生態系の再生を目指した取り組みを続けています。
また、増加する観光客と野生生物との事故が懸念されているため、知床財団、知床自然センターや周辺自治体を中心として、
野生生物との距離を保つ様々な取り組みが実施されています。
毎年秋に開催される「知床サスティナブルウィーク」は、サスティナビリティーへの気づきをテーマとし、アクティビティーやアート、
ワークショップ等を通じて体験することが出来ます。

聴こえてくる鳥や動物たちの声
通年クマゲラ、ヤマゲラ、ゴジュウカラ、カラ類、シマエナガの声など。
夏鳥ではセンダイムシクイ、キビタキ、アオジ、アカハラ、ツツドリの声やオオジシギのディスプレーフライトの音も聴こえます。
夏の日中にはエゾハルゼミの大合唱となります。
また、エゾシカやヒグマ!が笹原を移動するガサガサという音もたまに聴こえてきます。想像力を働かせて聴いてみてください。
(写真はライブカメラ前を通過するヒグマ)海に続く遊歩道も少し離れたところにあり、時折ヒグマよけの鈴の音や話し声、
沿岸を航行する船の音、カモメの声も風に乗り聴こえてくることがあります。


四季折々の花や植物の彩り
知床といえばハマナスが思い浮かびますが、春から夏にかけて海岸などでピンクや白の花を咲かせ、甘く爽やかな香りが漂います。
北海道や、斜里町の花(昭和43年制定)でもあり、市街地でもよく見かけます。
海岸では他にも鮮やかなオレンジ色のエゾスカシユリ、山岳地では知床にしか咲かない希少種のシレトコスミレや、
ゴゼンタチバナ、キバナシャクナゲなどを見つけることが出来ます。